大は小を兼ねる 広い作業領域にアップデート
以前はワコムのCintiq 13HDを使っていたのですが、同人誌の制作が一段落したタイミングで作業環境を見直すことにしました。そのとき真っ先に頭に浮かんだのが、「画面領域をもっと広くしたい」ということ。
そこで今回選んだのが、Huion Kamvas Pro 24 (4K)です。同じ液タブユーザーとして、乗り換えを検討している方の参考になれば嬉しいです。
Kamvas Pro 24 (4K) ってどんな製品?
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| メーカー | Huion |
| 製品名 | Kamvas Pro 24 (4K) |
| 画面サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | 3840×2160(4K UHD) |
| 筆圧レベル | 8192レベル |
| 色域 | sRGB 98% / Adobe RGB 95% |
| 表面仕上げ | アンチグレアエッチングガラス |
| 接続端子 | HDMI / DisplayPort / USB-C / USB-A×2 / 3.5mmヘッドフォンジャック |
| 重量 | 6.3kg |
大きい液タブに変えて変わったこと
4Kで変わるのは「広さ」より「情報量」
24インチ・4Kの組み合わせで一番実感したのは、画面の物理的な広さよりも画面内に表示できる情報量の多さでした。
ClipStudioやPhotoshopなどのお絵かきソフトは、ツールパネル・レイヤーパレット・カラーホイールなど、ウィンドウが多ければ多いほど快適に使えます。しかし解像度が低いと、UIにスペースを取られてキャンバスが狭くなる、という悩みがつきまといます。
4Kなら、各種パネルを広げてもキャンバス領域をたっぷり確保できます。「UIを犠牲にしてキャンバスを広げる」という妥協が不要になるのは、地味ですが作業効率に直結する大きな変化です。
長いストロークが自然に引ける
物理的なサイズアップの恩恵ももちろんあります。Cintiq 13HDのような小さい液タブでは、長い線を引くとき手首だけで描いてしまいがちでした。24インチなら肘から肩を使った自然なストロークが可能になり、アナログに近い感覚で描けます。
良かった点
コスパが正直かなり良い
液タブを選ぶ絵描きがワコム(以下W社)を避けて中華メーカーに流れる理由は、ここではないでしょうか。
24インチ前後の大型液タブ自体の選択肢は増えてきましたが、4K対応となると一気に選択肢が絞られます。その中でこの価格帯に収まっているのは、正直かなり優秀です。高い買い物であることは間違いないのですが、価格に対する性能で考えると、非常にコスパが良いと感じます。
描き心地は思っていたより良かった
初めての中華メーカーということで不安もありましたが、実際に使ってみると描き心地は想像以上でした。W社のような上質な質感とまでは言えませんが、こちらの動きに素直に追従してくれる感覚があり、ストレスなく描けています。追従性能も違和感がなく、優秀な部類だと感じます。
フェルト芯が選択肢として用意されているのも嬉しいポイントで、摩擦感が増してアナログに近い描き味を楽しめます。
ドライバが意外と安定している
液タブあるあるの「ドライバが不安定で突然認識しなくなる」問題ですが、使用している限り目立ったトラブルには遭遇していません。ストレスなく作業に集中できています。
付属の左手デバイスについても、元々別の機器を使っていたのであまり期待していなかったのですが、付属品としては中々に優秀です。現在自宅では使用していませんが、Bluetooth接続なこともあって、持ち運び用のサブデバイスとして活用しています。
気になった点
本体が大きく、取り回しに難あり
24インチという大きさと重量は、設置場所を選びます。一度固定してしまえば問題ないのですが、角度を変えたり場所を移動したりといった取り回しはしにくく、気軽に動かせる代物ではありません。デスクのスペースや設置環境をあらかじめしっかり確認しておくことをおすすめします。
リセールバリューはあまり期待できない
正直に言うと、Huion製品は中古市場での値崩れがやや早い印象です。「合わなかったら売ればいい」という安全網は薄めなので、購入前にしっかり検討することをおすすめします。
買う前に知っておきたい補足
モニターアームはほぼ必須
24インチともなると、本体がかなり大きく重いです。付属スタンドだけでは角度調整に限界があるので、モニターアームの導入を強くおすすめします。エルゴトロンなど信頼性の高いメーカーのものを選ぶと、長期間安心して使えると思います。

こんな人におすすめ
- 板タブ・小型液タブからのステップアップを検討している方
- コスパ重視で大型液タブに挑戦したい方
- のびのびとしたストロークで描きたい方
総評
Kamvas Pro 24 (4K)は、ステップアップの選択肢として非常にバランスの取れた一台です。飛び抜けて優れた点があるわけではないですが、価格・サイズ・安定性のバランスが良く、「大きい液タブを試してみたい」という方の最初の一枚として十分な完成度があります。リセールバリューの低さは念頭に置きつつ、長期使用を前提に使い倒していきたいと思います。